エドワード・タフティ(Edward Tufte)研究

 今日は、id:saebouです。

 コマプレスゼミのエディトリアルデザイン研究二つめの課題は「データのダ・ヴィンチ」ことエドワード・タフティ(Edward Tufte。読み方はどうも一定していないようですが、こちらによるとタフティだそうです)だったのですが、今度は黒澤さんがタフティマジックを簡単にまとめるべく、Beautiful Evidence(Cheshire: Graphics Press, 2006.『ステキな証拠』?『うるわしき証明』?)の要約を作ってくれました。


Beautiful Evidenceまとめ
補足1
補足2
補足3
補足4
補足5


 タフティはなんでもアンチパワーポイントで有名らしいのですが、最近私は理系の集まりに出て自分以外全員パワーポイントを使っているのを見て驚愕し、パワーポイントを覚えないと…と思っていたので、データのダ・ヴィンチ(←ルネサンス研究者としては「データのレオナルド」と言いたいとこですが…)がそんなにパワーポイントが嫌いだという話をきくと、元気が出るような出ないような気分です。


 タフティの出す図表はどれも綺麗でわかりやすいんですが、誰でもわかるかっていうとそれは少し微妙な気もします。図表を読む能力というのは文化的背景と訓練に加えて向き不向きもあるものなので、ある人にとって"Beautiful Evidence"であるものが他の人にとっては全然そうではないということはありそうな話です。


 しかし、タフティはイェール大学の先生らしいのですが、こういう図表テクニックがアメリカなんかで重視されるのは、理性に基づいたレトリック(つまりは説得の術)を重視するアメリカの名門大学の教育方針と、理性なんかなんぼのもんでもない一般の人の「反知性主義」の間でどうやって民主主義的に合意を形成するかという課題をクリアするためなのかもしれない…とちょっと思いました。人間、言葉で論理的に話しても結構わからないものですが、絵に描くとどんなにヘタでもわかってもらえたりしますからね…(北村)