ボルヘス書誌

どうも、こんにちは。


 エディトリアル・デザイン研究第3回では、書物や図書館について考えるにあたって、あるいはメディア論においても、この人を無視しては語れないというルイス・ホルヘ・ボルヘス(1899-1986)を取り上げました。
 「迷宮の住人」とも「書淫の怪物」ともいわれるボルヘスは、早くも10歳のときにはオスカー・ワイルドの「幸福の王子」のスペイン語訳を新聞に発表したことなどが知られていますが、弁護士・心理学者にして英語教師の父が所有する夥しい書物がつめ込まれた屋根裏部屋で幼少期より多くの英書に親しんだそうです。テクスト世界の無限に接して育まれた豊かな感性はその後、「バベルの図書館」などの傑作を編み出すことになります。そのボルヘスの書誌情報をまとめてみたのがこちらです。


ボルヘス書誌


 さすがに「書淫の怪物」といわれるだけあって、彼が著したり編纂したりした本の数もまた膨大であります。

 私は、大きな図書館に入ると目まいのするような気分になることがありますが、この世のありとあらゆる書物を想像してみれば、そのあまりの途方もなさに目がくらむどころではありません。
 アルゼンチン国立図書館に就任した頃より視力を失いはじめたボルヘスはしかし、口述筆記によっても本を出し続けたのでした。目の酷使には気をつけなければいけませんが、ボルヘスが晩年にいたるまで鍛え上げたような迷宮における視力は、養い続けたいものです。(うちだ)